風邪ひいた!辛い!
本当に小学生の時の自分は何を考えていたのでしょう。
「風邪引いて明日学校休みたいなぁ」
って思ったり、言ったりしたことが、皆さん一度はあるのではないでしょうか。オトナになった今、「なんてことを言っていたのだろう。絶対に嫌だ!」とわたしは感じます。
仕事は進まないわ、せっかくの休みも楽しめないわ、人生全てが楽しくなくなる、それが風邪です。
ってことで今回は風邪を治すための知識を授けましょう。
体温をあげよう
なぜ熱が出るのか
風邪をひいたら熱が出ます。これは「ウイルスが悪さをしているから」ではなく「ウイルスと戦うための自分自身の活動」です。
このことはちゃんと知っておくべき重要なことです。もしもこのことを知らなかった場合、すなわち「熱が出る=悪いこと」と認識していると、安易に解熱剤を飲んでわざわざウイルスと戦う身体の邪魔をしてしまうことになるからです。
ただ、熱が出ると身体が重くてダルく感じるのも事実です。その状態があまりにもキツいのであれば、一時的に解熱剤で「休戦状態」になっても構いません。無理して解熱剤を我慢する必要はありません。
しかし事実として
- 発熱は身体がウイルスと戦うために自ら実施している
- (平熱に比べ)高熱時にはウイルスの増殖を防げる
- 高熱時はウイルスと戦う白血球の活動が盛んになる
- 発熱すると自分自身も割と辛い…
という点を踏まえて解熱剤を飲むかを決めましょう。
お風呂に入ろう
わたしの場合、ついついシャワーで済ませがちなのですが、風邪をひいているときくらいはお風呂にゆっくり浸かるようにしましょう。お風呂は通常、体温よりも温かいお湯になっているので、当然身体を温めることに大いに役立ちます。
自分で自分の体温を上げるという「体力を消耗する方法」とは異なり、身体の疲れを癒やしながらも身体のウイルスと戦う機能を支援できるというわけです。
ただし、事実として以下のことも認識しておくべきでしょう。
- 体温を上げることができる
- 身体的な疲れを取ることにも役立つ
- 知らないうちに汗をかいているため、脱水症状に注意
- 湯冷めで体温低下は逆効果
しっかり水分を取り、脱水症状にならないようにしながらお風呂に浸かりましょう。汗をかいたり、湯上がり後の湯冷めは(気化熱によって)体温低下に繋がるのでお風呂に浸かった後には速やかに水気を拭き取り、温かい格好をになることが重要です。
テキパキ動けないくらいに辛いのならば、お風呂をパスすることも視野に入れましょう。
薬はみやみやたらに飲まない
解熱剤は辛いときだけ
さて、解熱剤は「戦う力を低下させてでも一時的に辛さから解放する」という効果になるため、風邪の治癒自体には繋がりません。なので解熱剤は進んで飲むものではないということは、上記までの話でも理解できたと思われます。
抗生剤はほとんど効果なし
昔は病院に行くと、やたらと抗生物質が処方されました。あの苦くて、いかにも薬という感じの味が「効果ありそうだな」と感じるところですが、実際は真逆で、ほとんどの風邪に対して効果がありません。
なぜかというと、抗生物質とは「生き物に対抗する物質」であるので、バクテリアによる風邪症状に対してしか効果がありません。そして殆どの風邪症状は、ウイルス性であり、バクテリアであるケースは1割程度です。
効果的な薬はないの!?
「じゃあ、インフルエンザウイルスをやっつける特効薬があるように風邪ウイルスをやっつける特効薬を作ってよ!」というのが私達の要望ですが、それは極めて難しいです。「インフルエンザ」とは「インフルエンザウイルス」に感染してしまった病気のことを言いますが、「風邪」とは「のどが痛いとか鼻水が出るとか」症状に対して付けられる病気(症候群)です。「のどが痛い」などの症状がどんなウイルスに由来しているのか何ていうのは実はわからないのです(種類が多すぎる!)。
なので「特定のウイルスをやっつける特効薬」なんてものを作ることは大変難しいし、作れたとしても「あなたの風邪がどのウイルス由来なのか」を正しく診断できなければ、どの薬を使えば良いのかなんてわからないのです。
予防接種的なことは!?
インフルエンザウイルスも、その年によって流行する「型」がかわります。予防接種は「型」が変われば無意味なものになることはよくご存知だと思われます。風邪症状を引き起こすウイルスというのは「型」どころか、ウイルスの種類が多すぎるので予防接種なんて殆ど効果がないでしょう。的中率が極めて低くても良いなら、作ることはできるかもしれませんが…。
結局日頃から基礎体力をつけるしか無い
結局のところ、風邪を引き起こすウイルスが体内で増殖できないように、強い体・健康な体を日頃から作っていくしかありません。
…耳が痛い話ですな。