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本ブログで真面目なことを書くので、こちらではごく日常的な雑記で行きたいと思います

【世渡り上手になるために】「人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている」を紹介

 

 

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本書の特徴

 今回紹介する本は、見た目もタイトルもいかにも怪しいこの本だ。

 なかなかインパクトのあるタイトルだと思うであろう。

 

この本の特徴として挙げられるのは、単なる経験則として物事を語っているのではなく心理学的な実験の結果を解説しながら話を勧めているところである。それでいて小難しい論調などでは一切なく、非常に読みやすい。

 

多くの心理学の結果を引用する一般書というのは、あくまで心理学的な結果を簡易に説明し、「人間はこういうものである。だから気をつけよう」という話が多い。

一方でこの本は、「人間の心理はこういうものであるから、世の中を上手く渡り歩くためにはどのように振る舞えば良いのか」という応用・実践的立場で書かれているのも特徴だ。

 

どのようなことが書かれているのかを詳細にここで書くわけにはいかないので、類似の本を紹介しておく。

 

類似の本

ファスト&スロー

まず間違いなく「勘違いさせる力」の著者が多大な影響を受けている本はダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」であろう。実際、本書の中ではカーネマンの名前が何度か登場する。また、ダニエル・カーネマンはノーベル経済学賞の受賞者である。

 

この書籍では、人間の心理的な働きにより、自分自身が気づかぬうちに大きな勘違いをしてしまう可能性を指摘し、注意を換気するような形で話が進められている。

今回紹介している「勘違いさせる力」本は、周りが大きな勘違いをしてしまうということが変えようのない事実であると受け止め、その中で上手く生きていく(時には積極的にうまく使っていく)という視点で書かれているのが対象的である。

心理学の実験自体の解説の幅広さや深さは「ファスト&スロー」の方が当然上だと言えるのだが、すぐに読めて「使える知恵」として取り込めるのは「勘違いさせる力」本の方であろう。

なにより「ファスト&スロー」は一般人にはあまりにも分量が多いし、一方で心理学の本としては実験結果の正しさが疑われるような内容も一部含まれているようである(もちろんそれは、執筆後に分かってきたことなのだが)。

 

そのような観点では「勘違いさせる力」本は、事実とされている特定の心理的な作用に絞ってその応用を語っているので、誰にでもおすすめできる本だ。

 

 

影響力の武器

そして、もう1つ、「勘違いさせる力」本を読んでて思い浮かんだのが以下の「影響力の武器」という本である。

 

この本も人がどのように動かされてしまうのか(影響力)を解説し、この影響力の危険性とそれへの対処法が書かれている。「武器」と名を付けているが、内容としては影響力に対する「防具」と言った感じの書かれ方である。心理学的な背景の解説も少しあるが、主に実際に起きた事件や体験談をベースに話が進む。

この本で紹介されている「影響力」というものの幾つかが「勘違いさせる力」本でも紹介されているが、「影響力の武器」が社会に存在する様々な影響力について解説しているのに対して、「一個人が使えるもの」は一個人が取り回せるような内容に絞って解説をしているという印象である。

 

感想

僕は下記の「勘違いさせる力」本を読む以前に、「ファスト&スロー」と「影響力の武器」を読了していたため、そのような観点で感想を述べる。

 

この本の特徴として挙げた通り、「心理学的な人の振る舞い(勘違い)」あるいは「影響力(勘違いさせる力)」を使う側の視点で書いているというのが目新しいように思う。

もしかしたらこのようなタイプの本は他にもあったのかもしれないが、こうも「ファスト&スロー」や「影響力の武器」のような、人間の心理に対する危険性を解説した本の内容を(恐らくサーベイした上で)「逆に使って行っちゃえ!」と開き直っているのは清々しさすら感じる。

 

これまで「ファスト&スロー」と「影響力の武器」を読んだ後に僕が考えたことは、「自分が変な勘違いをして意思決定を誤らないように気をつけよう」ということであったり、あるいは「この人は何かを勘違いしてしまっているのだろう。何とかしなければ」というようなことであった。

この本では「どのように自分が有利に立ち振る舞うか」ということを意識させてくれる本であると言える。これは、今まで積極的に考えたことは無かった(と思う。少なくとも実践したりはしていない)。

 

少し応用力を持っている人ならば、類書を読んだことがあればわざわざ「勘違いさせる力」本は読まなくても良いかな?というのが正直な感想であるが、この類の本を読んだことがない人は是非とも読んでおいて欲しいと思う。

自分が有利に立ち振る舞うためというのもあるし、他人が何故か上手くことを運んでいるのを見て、怒りや嫉妬のようなネガティブな感情を持っている人が、その全容を明らかにするのに使うのもいいと思う。