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本ブログで真面目なことを書くので、こちらではごく日常的な雑記で行きたいと思います

【D・カーネギーの人を動かす】人と接する考え方を劇的に変えた一冊【書評】

 

 

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はじめに

今回紹介する「人を動かす」は随分古い本で、言わば古典のような存在らしい。そんな古い本を紹介して大丈夫なのだろうか?そんなふうに思った方もいるかもしれない。

経済の動向や最新のファッション、近年の情報技術の発展、これらにより人の振る舞いは外見上は大きく変わったように見えるかもしれない。けどどうやら、人に影響を及ぼすための根幹はそう変わらないらしい。

ボクはこの本を読んでそう感じた。

 

読んで、世の中を実際に生きて、そうだと納得する事が多々あったからだ。

 

人を動かす 文庫版

人を動かす 文庫版

 

 

本書の中身 

簡単な目次

  1. 人を動かす3原則
  2. 人に好かれる6原則
  3. 人を説得する12原則
  4. 人を変える9原則

合計300ページ超の文庫本である(本来はもっと大きな本だったようだ)。

 

本書のスタイル

例えば人を動かす3原則は

「盗人にも五分の理を認める」

「重要感を持たせる」

「人の立場に身を置く」

というそれぞれの原則を様々な事例を元に説いていく。この本の特徴は、多くの事例を極めて具体的に挙げていることだ。

そして、それぞれの原則の事例を述べた後、最後に念押しのアドバイスのようなものが載せられている。例えば、「盗人にも五分の理を認める」の最後には、

「批判も避難もしない。苦情も言わない」

と記されている。すごくキッパリと言い切ってくれる。

 

海外の本というのは著者の小話が長すぎたりあったり、話題が冗長であったりするケースがあり、読んでいるうちに「そういえば何のことを頭に入れようとしていたんだ?」ということがたまに起こる。

 

しかし、最後にリマインダーの如く念押しのアドバイスが載せられているため、スムーズに頭に内容を思い起こしながら入れていくことができる。

 

 

この本を読んだ所感

(人によっては残念ながら)社会心理学などに基づく検証などの話は全く載っていないので、これが「原則」だなんて言えるほど、人間の根源にあるものかはボクにも分からない。

 

ただ、確かにこの本で学んだ姿勢は、実社会の中で確実に活きている

 

特にボクが衝撃的であったのは「人を説得する12原則」の章の最初にある、

「議論を避ける」

という項目である。この項目の最後にはこう書かれていた。

 

「議論に勝つ唯一の方法として、議論を避ける」

 

何なんだこれは?意味がわからない…!というのが最初のボクの感覚であった。しかし、ちゃんと他の項目も読んでいくと意味がわかってくる。

 

議論の目的とは、きっと何かわからないことや疑問を明らかにしたりしたいときだ。大抵の場合、幾つかの意見が挙がっており、それらは食い違っているところからスタートする(最初から満場一致だとしたらそもそも議論にはならないだろう)。

 

ここで教えられたのは、議論の本来の目的を果たす最高の方法である。まずは相手を認め、相手の主張の利点を探し、相手の誤りを責め立てず、自らの誤りを認める。謙虚で素直な気持ちを見せることだ。

 

ともかく、理系頭の論理ガチガチの人間であった自分には到底思いつかない発想であった。

「議論を避ける」というのは決して、新たな発見を諦め、投げ出すという意味ではない。ちゃんとその言葉の意味を理解するために是非本書を読んで欲しい。

 

願わくば人類全員に読んで欲しい本である。

 

 

実は途中で投げ出した

根拠は何のか?

実はこの本は一旦途中で読むのをやめてしまった。

どうしても理解ができなかったからである。

あまりにも、ズバッと言い切ってくる。こうしたほうが良い。実際こういう事例で上手くいっている。そんな一本調子であった。そもそも、この本自体がボクを動かすには十分には見えなかった。

 

その後、読み始めたのは下記の記事で紹介している「影響力の武器」という本である。

 

hyoro-gari.hatenablog.com

 

この本は、経験則や社会で実際に起こった事件・事例などだけでなく、社会心理学の実験などを踏まえながら人がどのように動かされるのかを説いている本だ。

私にとっては、今回紹介している「人を動かす」よりも幾分か科学的に感じた。

 

人を動かす 文庫版

人を動かす 文庫版

 

 

ボクはまだまだ何かしら論理的な根拠が必要だと感じていたのだ。

 

 

再度読むのを再開した

影響力の武器が半分くらい読み終わった後に、もう少し「人を動かす」の方も読んでみようと感じた。それは、影響力の武器で書かれていることとどのように違うのかにも興味を持ったし、何よりも文庫本で持ち歩きやすかったからだ。

 

そして、ボクはガッツリと読み進めた。読むのを途中で放棄した時、

 

ボクはこの本のアラ探しをしていたのだ。まさにこの本を否定すべく議論を一人で虚しくしていたのである。 

 

アラ探しなどしても何も生まれない。ダメなものはダメだ。だが、

良いところを探して、自分の人生に活かせるところがアレばそれで本を読んだ価値は生まれるのだ。

そういう心で再度読むのを再開したら、確かにそのような気がしてきた。根拠などは自分の生活の中で探せばいいのである。

 

相手は生きている人間だ。物理的な方程式で動作が解明されているわけでも何でも無い。自分で直に接触していくしか無い。

 

今、「影響力の武器」と「人を動かす」を読んだことは、「人と接する≒人生の多くの時間」を有意義に過ごすための強力な経験となっている。