HELLO REALWORLD

本ブログで真面目なことを書くので、こちらではごく日常的な雑記で行きたいと思います

頭を5針縫った

 

 

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頭ぱっくりイッた

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最近頭を縫合する怪我をした。

 

いっっっっってぇっぁあっぁ!!!? 

 

と心の中で叫びつつ、地面に平伏し、顔を上げてみると右顔面にタラーっと血が流れてくる事に気が付いた。確かに痛いは痛いのだが、

ウワー、マジか???

と若干冷静になりながら、我に返り動こうとすると「動くな動くな!」と周りからタオルで止血するように言われます。とりあえずよく分からずタオルで頭を止血。

 

「傷口を見せると救急搬送する」などと言われた。

 

嘘だろ?普通に意識あるぞ?救急車に乗せて一体何するつもりだ!!!?

 

病院に行くまで

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縫うのが怖かった

僕はグロいのが極度に苦手だ。

グロ系の映画で有名なSAWに関しては、何作目か忘れたが気持ち悪くなって10分で見るのをやめた(なんで見た!?)。

グロいというのかは知らないが、注射も苦手だ。採血で気分が悪くなって倒れてしまったこともある。特にあの、カパッとハメてピューッと血が出てくるタイプが苦手だ(吸引式じゃないやつ、分かる?)。

 

ともかく、不自然な状態というのがとても怖いのだ。

普通頭が糸で縫合されているなんて不自然極まりないではないか。そのような状態になることも、そのような処置を受けるのも怖くてたまらなかった。

 

だから僕は、

「え、救急車?大丈夫ですwww」

みたいなことを言っていた。見る人見る人、これは縫うしかないよね…?と口にしていた。縫うのが怖くて怖くてたまらない僕は、別にお医者さんでも何でもない人に

「縫わないで放置したらどうなります?」

と意味不明な質問。

「どうなるんだろう?とりあえず止血しよう」

と完全無視。当たり前だ。まあ、救急搬送は確定だろう。どう考えても血を流しながら電車には乗れないし、タクシーも僕なんて乗せたくないだろう。

 

救急車が来る

救急車が来るが、僕は自分で歩いて救急車に乗った。完全にまともであることをアピールした。どれだけ意識がまともだとアピールしようと、怪我していることには変わりない。それでも僕は、

「あ、僕歩けますよ?」

とアピール。何とか縫わずに済む方法があるんじゃないかと思った。大した傷ではないとアピールしたかったのだ。そんなアピールも虚しく、救急隊員は付き添ってくれてる人に

「この方は頭を打ってから記憶はずっとありますか?」

僕がすぐさま「あります!」と言った後に付き添いの人も「ありました」と応える。その後、生年月日や名前、住所などを聞かれながら救急車に乗車。

 

同じような質問を何度も繰り返された。やはりちゃんとしゃべることができるか、記憶が途中で飛んだりしないかを警戒している様子であった。僕は救急車のベットで横になりながら、

「これって縫わなければいけないですかね?縫うのって痛いですか?」

と不安そうに質問する。傷の状態しだいで糸で縫う場合もあれば、ホッチキスみたいなのでガシャッと止めることもある。という話を聞いた。

ホッチキス!?ふざけんな!?なんかサッカー選手のエピソードでそんなの聞いたことあるぞ?試合中に頭怪我して、止血のためホッチキスで頭止めて試合に戻ってきたとかなんとか。

 

病院に到着

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頭の異常が無いか

病院に到着すると若い、少しチャラそうな先生が居た。休日の救急外来ということで、たまたまその時間にシフトが入っている先生が対応するようだ。

(あれ、研修生じゃないの?)

って感じたが、とりあえず言わない。動くベッドで運ばれながら傷口を見られた。口ぶり的に、もう完全に縫うことは確定らしい。

医者の心配は、脳にダメージが無いかということだけのようだ。僕が頭を縫うことをとっても恐れているということはお構いなしの様子であった。

「手を握って」とか、「指を動かすから目線で追って」とか、様々な簡単なタスクをこなして僕が正常であるかをテストした。

 

次にCTで頭の画像を撮り、その診断結果が出るまでに縫合処置をするという流れのようだった。

(ああ、その後は、いよいよ縫うのか…)

どんどん不安が膨らんでいった。大体頭に針が貫通して、糸でぎゅっと絞られるなんて、怪我している以上に不自然な状態な気がする…。がまあ、そういうものなのだろう。

 

CTはものの数分で終わった。

 

おっさん医者登場

CTを撮り終わって、すぐに処置室へ移動する。処置室と言っても、そこら辺の部屋にカーテンを垂らしたような状態である。救急外来で命に別状がなければこれくらいの感じなのだろう。

傷口を再度見ながら、麻酔の量や何針縫うのかをゴチャゴチャと話している。そこへ、何やらかなり別のお医者さんが登場してきた。

「なんだなんだ?俺も手伝おうか?」

と、おっさんの医者登場。正直、ある程度経験豊富そうな人が来て僕は安心した。しかし、その人は僕の傷を覗きこむや否や、

「あー、んー、5センチ位で、深さはあぁ、だいたい2mm??んー、骨膜まで見えてるなあ」

と若い医者に向けていっているのか、僕に向けているのか、独り言とは思えない声の大きさで言った。変なことを具体的に僕に聞こえるように言わないでくれ…。すげぇ不安を煽られた。

「骨膜ってなんですか…?」

恐る恐る聞くと、「大丈夫大丈夫」と軽い返答。まあ経験豊富な人だからこれくらい沢山見てきているのだろう。あなたが沢山みてても僕には初めてなのだが…。

 

ちなみに頭の構成は以下のようらしい。肌が完全に5cm程切れて、剥がれそうなイメージだろうか。おえぇえ気持ち悪い。

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麻酔が効かない

頭部を洗浄することから始まったが、水で傷口を洗うのがもう激痛であった。「あーー痛い痛いー」と僕は顔をしかめながら言った(このときガーゼが顔に当てられて、顔は見えていない)。

 

ということで、洗う前に手術部位への局所麻酔が行うことになった。

正直、怪我している時点で頭はそれ相応に痛い状態であったので、頭に針が刺されたくらいどうってことなかった。もちろん痛いのだが、元々の痛みにかき消される感じである。

しかし、麻酔がすんだであろう頃合いに傷口を触られた事が分かった。しかも普通に痛い!!!

「あー痛いです」

と言うと、「えー、どの感じ?触られている感触はずっと消えないよ?」と言いながら同じように触ってくる。

「あーー、普通に痛いです。普通に痛いやつです」

と言って、触られている感覚のことを言っているわけではないことをアピールした。追加して麻酔を行っていくが、以前として傷口を触ると痛い状態が続いた。

 

しばらく、痛みの確認と麻酔の注入を繰り返しつつ、

「おー、結構入れましたね」

と看護師が言った頃には確かに触られる感覚意外はほとんど何も感じなくなっていた。

 

縫合開始

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縫合が始まる。針を頭に指すのは若手の役であり、糸を縛るのがベテランという形で分かれていたっぽい(ガーゼが顔に当てられて、見えてないから分からんが)。

麻酔が効いているとはいえ、頭皮の中を針が通っているのは分かった。しかし特に痛くはない。気持ちは悪いが…。針を通した後、(おそらく)おっさん医者の方が糸をあらあらしく結んでいた。頭皮がぎゅっと引っ張られている感覚がある。っていうか普通に痛い。

 

3針目、針が入ってきた感覚と共に痛みを感じた。「ぅっ」と顔をしかめる。医者や看護師から僕の口元が見えているのか知らないが、

「もう少しで終わりますよ」

と看護師が告げる。

「あと何針ですか?」

と僕が具体的な数値を求める。別に死ぬほど痛いわけではないが、あんなにゆっくりと針をじわじわ通す痛みをずっと耐えられる気はしなかった。

「あ、えーと、何針ですか?」

と看護師が言うと

「んーあと、一針」

と、おっさん医者が応える。そして、「まあもう終わるし僕はそろそろ行くよ〜アハハハはーーー」とおっさん医者は退散していった。

 

すると、若手のお医者さんが僕に向かって

「加藤さん(偽名)とはお知り合いですか?」

と言ってきた。いや、誰やねんそのありきたりな苗字の人間は。知らんわ。そう告げると、

「さっきの年配の先生のことです」

と言う。全く知らん人だ。身に覚えがない。

「いや、知らないです。初めて会いました」

「えー、知り合いだから来たのかと思いました。あの人なんで今日病院いるんだろう?」

謎の世間話に付き合いながら、最後の一針が頭皮に刺さってくる。んーーっ、と呻きながら痛みに耐え、縫合は終わった。

 

 

縫合終了

かに思えた。

傷口を覗き込みながら、若手の医者

「あーー、ここまだ開いているなあ」

とつぶやく。おいおい、マジか、ちゃんと閉じろ!!!と思っていると、

「ごめん後一針!!!」

と死の宣告を受けた。

安心しきったところでそれは結構きつい宣告だ。

早速頭に針が刺される。

「すぐですよすぐ、はいはい!痛いの終わりーはい!!」

と看護師が僕をあやす。最後にきゅっと皮膚を縛り終了。

 

 

縫合と診断の終了

縫合をしているうちにCTの解析が終わり、画像を見ながら異常が無いことを説明された。抜糸の日程はまた追々決めるようで、とりあえずその日は禁煙・禁酒・辛いもの禁止・入浴禁止であった。

ちょうどその日は友人と辛いラーメンを食べる話をしていたのですごく残念であった。しかも僕は喫煙をする人間であるので、ダブルパンチである(正直そのあとタバコ吸った)。

 

通常、頭部を怪我した場合には脳外科で翌日に再診するらしいが、その病院はその日が休みであったため、翌々日に来るように言われた。まあどうせ異常は無いのだから特に心配しなくて良いだろう。

最後に、処方箋を出してもらい病院を後にした。救急外来であったこともあり、保険が効いたにも関わらず諭吉が消えた。とんだ目にあってしまった…。

訳の分からんガーゼとミカンを入れる網網みたいなものを頭につけた状態で電車で帰った。

道中、口を開けながら僕の頭を見る人や、見た瞬間目を逸らす人が沢山いた。普段味わえない扱いに少し興奮しつつ帰宅。

 

家に到着し、早速薬を飲もうとすると、薬の袋に「耳鼻咽頭科」と書かれていた。

 

ええぇえ。本当に命に関わる手術は、きっと緊急オペで専門医が呼ばれるのだろうけど、そうでもなければ救急外来ってほんと居合わせの先生でやるんだな…。

医者自体には元々大学で専門など本来無いようで、それぞれが医者になってから得意な分野を掲げて○○科と言っているようである(麻酔科や精神科など特別な資格を持つものは例外)。

そういう意味では医者の勉強量はとんでもないのであろう。医学の全てを納めなければならないのである。

 

実際、耳鼻咽頭科の若い先生による縫合はしっかり綺麗に行われており、何も問題はない。

 

ただ処置中にヘラヘラ喋り過ぎだ(まあ僕もヘラヘラと応戦したのだが)。

 

とりあえず僕は成長した。

今まで親不知が邪魔で邪魔で仕方なかったのだが、どうも歯茎の切除が必要らしく、怖くて先延ばしにしてきた。しかし、今回の件を通してちょっとした手術には耐えられる精神力を手に入れたと思う。