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本ブログで真面目なことを書くので、こちらではごく日常的な雑記で行きたいと思います

【ミックスボイス・ミドルボイス】を練習する前に心得ておくべき基本事項

 

 

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 はじめに

 

歌を歌うのが好きな人、嫌いな人、得意な人、苦手な人、いろいろいると思う。好きな人や得意な人ならカラオケに行くことは何の苦でもないだろうと思う。

 

そもそも嫌いな人はカラオケに行きたいなどとは思わないし、別に行かなければならないものでもないので無理する必要はない。しかし、カラオケに行きたくない多くの理由は歌うのが苦手だからというのが大きいのではないか。仮に歌うのが得意になったら、今まで嫌いだったとしても突然カラオケに行きたくなるかもしれない。

 

別に無理することではない。一生、あるいはなるべくカラオケに関わらないように生きていくことは可能である。しかし、少しでもカラオケに行く機会があるならば、誰しも「もっと上手く歌えたら」ということを感じたことがあると思う。

 

今回は、上手に歌を歌うための基本中の基本であるミックスボイス・ミドルボイスについて述べる。

 

間違いなくこれができるようになると、歌が楽しくなる。趣味が1つ増えるようなものであると思う。無理して頑張る必要はないが、達成した先には間違いなく喜びの未来が待っている。

 

 

歌を歌うということ

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歌に才能は必要か?

歌には音程とリズムがある。そして歌詞もある。

 

これらは基本丸暗記ものである。

 

仮に作曲したりする人は、どのような拍で音を置くのか、どうすれば心地が良いのか、どうすれば表現したいことを表現できるのか、知識とセンスが問われると思う。

 

しかし既に作られた既存の曲を、素人目で上手に歌うというのは、音楽的なセンスが強く要求されることではないと思う。努力すれば誰にでもできる。

 

歌を創り出すレベルになりたいならばセンスは問われるのではないだろうか。もしかしたら僕がそれをできないため、センスというもののせいにしているだけかもしれない。それでも少なくとも、僕には音楽的なセンスなどは無いが、素人目では歌が上手いらしい。

 

既存の曲をアレンジして、自分のリズムで音程も崩しながら歌う、となると少し作曲的センスも必要になるかもしれない。しかし、既存の曲を既存の曲通り歌う事自体はやはり才能など無くても十分だ。

 

最も意識しなければならないこととは

誰でも知っていることであるが、声を出す時には声帯が振動している。この振動の速さによって基本的な音の高さが決まる。

 

声帯は非常に小さなもので、こんなものが振動したところで大した声など出ないのだが、口や喉、鼻などの中で音が増幅される。空洞の形状と声帯振動の具合で声色も変わってくる。

 

だからよく、口の中の形が大事だとか、鼻の方に声を持って行けとか、時には頭に響かせるようにという表現が使われる。

 

声楽のようにある程度正しいとされる発声が決まっているのであれば、どのような響かせ方をするのかを追求するのは大事なことである。しかしポップスの世界ではどのような声色が正しいかなど決まっていない。それは個性である。

 

従って、カラオケで歌を上手く歌いたいというレベルにおいて最も大事なのは、声帯の振動をコントロールし、まずは音の高さを好きなように調整できることにある。

 

響きがどうのこうのという話は、正直後で良い。好みもあるし、どれか1点に目標を定めるのは早い。プロのポップス歌手だって、月日を経て声色なんていくらでも変わっている。重みが合ったり、軽快さがあったり、曲調によって変えたり、体調によっても変えるかもしれない。そのとき歌いやすいように歌っているだけなのかもしれない。

 

そんなときでも、恐らく変わらないであろうことが、音の高さを調整する技術である。

 

 

音の高さを調整するとは

ここでは、ある程度歌を上手に歌うための核心的な部分に迫る。

 

音の高さを調整することが大事であると聞いて、「なんだそんなことか?そんなのアタリマエのことだろう?」と感じた人も多いはずである。

 

しかし、ここでの「音の高さを調整することが大事」という意味は、カエルの歌を歌うときに「ドレミファミレド」と音を移動できることを指しているのではない。これは確かに歌を歌う上で大前提のことであり、重要なのは確かだ。

 

しかし今回述べているのはもっと先のステージである。

 

「ドレミファソラシドレミファソラシドレミファソラシド」

 

と音を上げていきながら、苦しくなく、音を自然に出せるか?という話である。カエルの歌ならば音域が極めて狭い。なので音を正確に出せますか?という話に聞こえてしまう(音を正確に出すことも極めて難しいのだが今回の主題ではない)。

 

しかし今回言っているのは、ある程度の音域を自然に移動できるか?ということである。

 

大抵の場合、これができないから歌が歌えないのである。多くの人は「高い声が出ない」の一言で解釈しているが、そうではない。低い音も含めて自然に声を発して音の移動ができていないのである。

 

声で音を奏でる方法それ自体が、大抵の場合根本から間違っている。

 

声で音を奏でること

高い声が出ないと嘆いている人は、「声帯の振動で音を出し、それを鼻や口、頭で響かせている」という話の、声帯の振動を起こす部分で既に何かが違うと思っていい。

 

響かせ方で声色を変えるなんて話は、既に次のステージの話である。声帯の振動をコントロールすることができないのであれば、響かせ方をあれこれ工夫しても、結局は高いところで苦しい変な音を、誤魔化し誤魔化し出しているだけになってしまう。

 

まずは、声帯の振動をコントロールすることを覚えて欲しい。これだけを意識すると歌は味気ないものになるかもしれない。が、それが必要なプロセスである。

 

トレーニングをする上で心得るべきこと

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 声帯を直接コントロールすることはできない

さて、いきなり残念なお知らせであるが、声帯を直接コントロールすることはできない。声帯自体は筋肉によって引っ張られ、その引張が強いほど振動が激しくなり、高い音が出る。しかし、筋肉で引っ張ったからといって音が出るわけではない。

 

ここに空気を流しこむことで適度に張られた声帯が振動し、音を出すのである。

 

声帯が声帯が、言っていても、自分たちが実際にコントロールできるのは「息の流しこみ具合」と「声帯を引っ張る緊張の具合」である。

 

そして、声帯を引っ張る緊張具合を測る方法など無いことに気づく(せいぜい声を実際に出してみて、ちゃんと思った通りの声が出ているかを確認するしか無い)。喉に電極でもぶっさせば、筋肉の活動強度を測ることはできるかもしれないが、そこまでやりたい人などいないだろう。

 

実は自分たちで直接的に確認できるのは「息の流しこみ具合」だけである。

 

声帯に流し込まれてる息の強さや量は、口や鼻から出てくる量と同じなわけなので、ようは息を吐くスピードを調整する練習をすれば良さそうだということが分かるはずである。

 

 

喉を短時間で痛めたりする方法は全て間違った方法である

たまに、お酒を飲んだ後や、大声で叫んでいると、高い声が出しやすくなる時があるかもしれない。しかしそれは極めて一時的なもので「間違った方法である」と断言する。

 

喉が腫れて、声帯やその周りの筋肉に影響を及ぼし、偶然にも高い振動を得やすくなっているのかもしれない。それは一時的なものである。後に喉を壊しているのであれば、それが過剰な負荷であることは自分でも分かっているはずである。

 

楽しいカラオケの時間のために、馬鹿みたいに叫ぶことは僕もあるので、それ自体が悪だとは言わないが、歌をうまくするためのプロセスとしてみれば完全に間違っていることを認識しておいて欲しい。

 

あれ、この調子で歌えれば上手く声が出るようになるんじゃないか??

 

なんてのは完全な錯覚である。

 

 

発声練習の基本的な方法

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呼気のコントロール

呼気の量は直接確認することができる。口の前にティッシュペーパーでもぶら下げておいて、コイツをいろいろな呼気の強さで靡かせてみるといい。

 

実際に呼気の強さをコントロールできるようにするためには、ぶら下がったティッシュペーパーに常に一定量の呼気を吹きかけ続け、できるだけ長く持続させることである。

できるだけ長く持続させるためには、非常に少量(しかしティッシュペーパーに風があたっていることを確認できるくらい)の呼気出せるようにならなければいけない。

 

つまりこの項目の目的は、非常に細かい呼気のコントロールを覚えることである。

 

ただ力任せに声を出そうと言う時には、呼気の量は一定量出ないばかりか、過剰に吐き出されていたり、逆に息を止めたような苦しさを感じたりする。そういうことは「一切」無くならなければならない(勿論表現で意図的にやることはあるかもしれないが、それは遥かに先のステージである)。

 

呼気に声を乗せる

これが極めて重要なことであるが、呼気をコントロールできるようになったら、その呼気に声を乗せるのである。ただ息を吐いているだけの時には当然声は出ていない。声帯が振動していないのである。

 

呼気に声を乗せるということは、声帯が震えられるような状態に筋肉で調整したことになる。このとき息の通り道を声帯で閉じてしまって、そこを息が声帯をこじ開けて通り抜けることで音が出るイメージである。

 

ここで意識して欲しいのは、

 

とある声帯のコンディションに対して息を当てるのではなく、コントロールされた呼気に対して適度に声帯を閉じてやることで音が出るようにすることである。

 

あくまで呼気の方が主体であって欲しい。私達が直接観測できるのは呼気の量だけである。だから、こちらからアプローチしたほうが圧倒的に分かりやすい。もちろん最終的には感覚的に声帯を引っ張る筋肉もコントロールできるようになるが、それは次の段階である。

 

声を録音する

上記のイメージで適当な歌を音色だけ歌うのが良い。

 

決して高い音でも苦しいと思うような発声をしてはならない。そう思うならスッカスカの裏声に逃げるほうが遥かにましである。スカスカの裏声はパワーが無いが、力んでも居ないので、変な癖が付かずに済む。

 

また、この段階で歌詞を使うのはオススメしない。類まれなるセンスがあるならばいいが、大抵、母音や子音の具合で力の入れ具合が変わってしまって、せっかくできている呼気の調整や、これから覚えるべき筋肉のコントロールが全くわからなくなってしまう。

 

そして、それをちゃんと録音して聞くことである。どこから自分の声が不安定になっているのか。あるいは息に載せた声が、どんな具合の声になっているのかは聞くしかわからない。

 

息の量がしっかりコントロールできており、毎回同じように息が出ているとすれば、声色が変わるのは声帯を支える筋肉側の違いが大部分を占める。声帯を支える筋肉のコントロールは、録音して聞きながら試行錯誤的に修正するしか無いのである。

 

もしも息の方をしっかりコントロールできていないまま録音したら、上手く声が出た時、あるいは上手く行かなかったときに、どちらが主な要因なのかを把握するのが難しくなってしまう。だから必ず呼気のコントロールができるようになってから、呼気に声を乗せることを主張したのである。

 

 

ここまでのまとめと余談(腹式呼吸)

心構えとトレーニング

  • 声は声帯の引張と呼気の強さで概ね決まる。頭に響かせるとかは遥かに先の話。
  • 呼気の量は直接コントロールできる。従ってこちらをコントロールできるようになることで、後のトレーニングが圧倒的にやりやすくなる。
  • 声帯の引張具合は録音して声を聞きながら調整する。痛みを感じたり苦しく感じる方法はまず間違っているとするべき。流れている呼気に声を乗せるイメージで、あくまで呼気の方を主体とすべき(既にコントロールできるものを乱すべきでない)。

 

腹式呼吸について

歌に必ずついてまわるのが腹式呼吸である。まず僕の主張としては、腹式呼吸ができることと高い声が出ることは直接は関係ない。だから腹式呼吸ができなくても歌はうまくなると思う。しかし、

 

腹式呼吸ができたほうが、歌を上手く歌うのが圧倒的に楽であると言える。

 

腹式呼吸というのは様するに呼吸の方法である。僕はこの記事で、呼気のコントロールについて述べたが、このコントロールが圧倒的にやりやすくなる。

 

記事で述べた「なるべく長く、一定量の呼気をティッシュに吹きかけ続ける」というのをやってみて欲しい。すると、これを達成するためにはお腹を意識したほうが断然やりやすいことに気づくはずである。

 

腹筋をバキバキにする必要など無いし、特別な腹式呼吸のトレーニングも要らない。呼気をコントロールしようと思ったら、自然と腹式呼吸を欲するはずである。

 

ちなみに、腹式呼吸だろうがそれ以外だろうが、呼吸をしているのは肺である。肺が膨らむと息が流れ込む(息が流れ込むから肺が膨らむのではない。肺を筋肉で膨らませて、気圧差で息を取り込んでいる)。

 

すなわち肺が膨らむスペースが多いほど、沢山の息を吸えるし、逆に肺のしぼませ具合をコントロールできれば息の量もコントロールできる。これをやっているのは横隔膜であり、横隔膜が下の方向に下がっていくことで肺が膨らむスペースを確保している。結果としてお腹が膨らむ。

 

お腹で歌うというのは、要するに横隔膜の上げ下げで呼気を完全にコントロールし、歌を歌うということである。このようなイメージが付くほどに、呼気のコントロールは重要である。

 

 

ミックスボイス・ミドルボイスとは?

その正体

いよいよ本題に入る。

が実際のところ結論は伝え終えている。

 

息に声を乗せ、スムーズに音階を行き来できるようになったのならばそれはミックスボイスだとかミドルボイスだとか言われるものである。

 

僕は実は、ミックスボイスだとかミドルボイスだとか言う言葉は好きではない(大体、このワードで検索を掛けてくるので載せた)。何か新しい魔法のような声が存在すると錯覚するからである。カラオケに一緒に行く友人にも、「その声が出せるのはそういう声を出す才能があるからだ」と言われたことがある。

 

違う。単に声の出し方、歌い方を知らないだけである。知らなければできないし、練習しなければ身にもつかない。

 

変な癖がない人は、練習の必要もないかもしれない。というのも正直、新たな訓練というよりは、これまでの変な癖を無くすという部分が、所謂ミックスボイスを出すための練習の大部分を占めると言っていいからだ。

 

もちろん声色を操作したり響かせ方を工夫したりというのが更に上のステージで待ち構えているが、少なくとも広い音域を一本の声でスムーズに出せる様になること自体は、本来誰でもできるはずのものである。

 

変に特別なものであるという意識は持たない方がいい。そしてもしもこれまで高い音を出そうとして苦しい思いをした経験があるならば、それはやり方が根本的に間違っていると自覚しなければならない。そうでなければ、今の発声を捨てて、本当の歌うための発声を身につけることができないためである。

 

 

ミックスボイスやミドルボイスと呼ばれる理由

どうしてこのような名前がついているのかは正直言って知らない。

ミックスボイスという言葉は、裏声と地声を混ぜたような声、あるいは感覚を持っていることからそう名付けられたのだろうし、ミドルボイスは、地声とも裏声とも根本的に異なる別種の発声であると感じたからそう名付けたのであろう。

 

いずれにしても、名前なんてどうでも良い。惑わされないように。自分が出したいと思った声が、録音の結果出ており、それがいつでも苦しくなくコントロールできるのならば目的は達成されているはずである。

 

ミックスボイスやミドルボイスなるものを獲得したい人にとって、この記事(また今後更新する記事)はその解決策になっていると自信を持てる。

 

優しく歌うことも強めに激しく歌うことも、その基礎は呼気に声を載せて、発声を大きく変更すること無く音階を行き来できるようになることである。

 

裏声は一般的に呼気が多めである。呼気を出すことを強く意識するであろう。そこに声を乗せる感覚は、地声で声帯をしっかり閉鎖する感覚を加えることに相当する。だから裏声と地声を混ぜるんだという表現をする人が居てもおかしくないし、例えとしておかしいとも思わない。

 

でも裏声を出して地声を出して、声を同時に混ぜているわけではない。それぞれの声に特に必要なある一部の要素(呼気を意識することと、声帯を閉鎖すること)をバランスよく使っているのである。その結果、なんだか響きの良い、しかも高い声もそれ程苦しくない声が出せるようになる。それを地声でも裏声でもないミドルボイスという名で呼ぶのもおかしくない気はする。

 

まあミックスボイスでもミドルボイスでもどっちでもいい。基礎を着実に積み重ねるのが最短である。